Make your own free website on Tripod.com
第5章 人称接辞の変化,主辞,目的辞,関係辞

5.1.名詞接辞と人称接辞

人称接辞とは,動詞などに接着する接辞のうち,主語「〜が」,目的語「〜を」,関係語「〜であるところの」を示す接辞の総称である.スワヒリ語では各名詞類に応じた人称接辞が存在する.これらの接辞は名詞接辞と関係するが,名詞接辞と同じ形ではない.形態的には名詞接辞から派生したものと考えられる.1人称,2人称,3人称の人称接辞は,広い意味では名詞第I類人群に属する接辞といえる.しかし,用法や形態がかなり違う場合もある.
第U類以降の「物を表す名詞」に対応する接辞を,第I類の「人」を表す接辞に対して「物称の接辞」と呼んでもよい.しかし,どの類の接辞も人だけあるいは事物だけでなくどちらもさすので,ここではすべてをまとめて人称接辞と呼ぶことにする.また,名詞類や代名詞の人称・数などの区別を総称して,広い意味での「人称」として扱う.
人称接辞には主辞(「〜は」と主語を表す接辞),目的辞(「〜を」と目的語を表す接辞),関係辞(「〜であるところの」と関係する語を表す接辞)の形がある.ただし,第I類単数を除けば主辞と目的辞は同じ形である.関係辞とは,その接辞が前後の語と密接に関係するものであること,すでにそのものがだれかによって言及されたものであることを示す.形態的には主辞の形に母音 -o がついて(ただし第T類単数を除く)変化してできたものである.
主辞に母音 -a をつけて変化させたものは「〜の」という「所有」を表す接続詞として用いられる.これを所有接続詞と呼ぶ.この語は品詞としては接続詞(語と語をつなぐ働きをするもの)だが,形態的には人称接辞と同類のものである.
このように,すべての人称接辞は主辞の形から形成できるので,人称接辞は主辞を代表的な形とする.第T類単数には主辞の形が2つあるが用法が違う.また,目的辞や関係辞も第T類単数の形だけがかなり不規則だが,他はだいたい通常の規則的な音韻変化にしたがっている.また,第X類単数については,第V類単数で代用されることがある.この2つの類の単数名詞の形態はまぎらわしく,両者の人称の区別が明確でなくなってきているためである.
以上をまとめて表にすると次のようになる.

名詞
接辞
名 詞 例 人 称 接 辞 所 有
接続詞
〜の
主辞
〜は
目的辞
〜を
関係辞
〜であると
ころの
第T類 単数 m mtu 「人」 a,yu m ye wa
複数 wa watu 「人々」 wa wa o wa
第U類 単数 m mti 「木」 u u o wa
複数 mi miti 「木々」 i i yo ya
第V類 単数 ny nyama 「肉」 i i yo ya
複数 ny nyama 「肉」 zi zi zo za
第W類 単数 ki kitu 「物」 ki ki cho cha
複数 vi vitu 「物」 vi vi vyo vya
第X類 単数 ji jiwe 「石」 li li lo la
複数 ma mawe 「石」 ya ya yo ya
第Y類 単数 u ubawa 「翼」 u u o wa
複数 ny mbawa 「翼」 zi zi zo za
第Z類 pa mahali 「場所」 pa pa po pa
ku ku ku ko kwa
m m m mo mwa

第Y類複数については,第V類複数(または第X類複数)と同じである.これ以降は,名詞第Y類の複数を第V類(第X類)複数に属するものとして,第Y類の複数の形を示さない.単数と複数とで名詞類が変わるものは,それぞれ単数形の属する類,複数形の属する類の接辞変化にしたがう.

5.2.主辞+ na

人称接辞(ni「私は」など)と同じように,各名詞類の主辞は接続詞 na に接着して,そのものが他のものに対して「所有する,近くに存在する」など動詞的な意味を表すことができる.この意味を打ち消すときは,否定辞 ha を前に接着させて否定形をつくる.次にその変化のようすを示す.主辞は,受ける主語の名詞によってさまざまな訳がつけられるが,ここでは便宜上「それ(ら)」で統一する.また第Z類については,pa を「ここ」とし,ku と m には「そこ」という訳をつける.ただし,これは接辞の意味を忠実に表したものではない.

主辞 肯定形(主辞+na) 否定形(否定辞+主辞+na)
第T類 単数 a ana 彼(女)は持ってる hana 彼(女)は持ってない
複数 wa wana 彼(女)たちは持ってる hawana
彼(女)たちは持ってない
第U類 単数 u una それは持ってる hauna それは持ってない
複数 ina それらは持ってる haina それらは持ってない
第V類 単数 i ina それは持ってる haina それは持ってない
複数 zi zina それらは持ってる hazina それらは持ってない
第W類 単数 ki kina それは持ってる hakina それは持ってない
複数 vi vina それらは持ってる havina それらは持ってない
第X類 単数 li lina それは持ってる halina それは持ってない
複数 ya yana それらは持ってる hayana それらは持ってない
第Y類 単数 u una それは持ってる hauna それは持ってない
第Z類 pa pana ここにはある hapana ここにはない
ku kuna そこにはある hakuna そこにはない
m mna そこにはある hamna そこにはない
第I類単数の否定形では,ha+ana が hana と短縮する.

文をつくるときは,主語を前に,目的語(所有などの対象になるもの)を後ろにおく.
Mtu ana akili.(単数) Watu wana akili.(複数)「人には知恵がある.」
Mti una mzizi.(単) Miti ina mizizi.(複) 「木は根を持つ.」
Nyota ina nuru.(単) Nyota zina nuru.(複) 「星には光がある.」
Kitu kina uzito.(単) Vitu vina uzito.(複) 「物には重さがある.」
Jua lina sayari. (単) Majua yana sayari. (複)
「恒星(太陽)は惑星を持っている.」
Utu una uzuri na ubaya.(単) 「人間性には美点と汚点がある.」
第Z類には数の区別がなく,場所の状況に応じて pa,ku,m の接辞を使いわける.また,必要でないかぎり名詞 mahali は省略されることが多い.
Pana kiti. 「(限られた狭い場所に)イスがある.」
Kuna kiti. 「(広がりを持つ特定の場所に)イスがある.」
Mna kiti. 「(ある場所の中に)イスがある.」
第Z類接辞 pa を使った否定形 hapana は,疑問文に対する応答文で「いいえ」という意味で独立して使われる.
5.3.主辞の用法

主辞は主語の人称に一致し,動詞語幹の前におかれる.普通の文では主辞は省略されることはない.
Mtu anasoma.(単数) Watu wanasoma.(複数) 「人は(字を)読む.」
Mti unafaa.(単) Miti inafaa.(複) 「木は役にたつ.」
Nyota inang'aa.(単) Nyota zinang'aa.(複) 「星が光ってる.」
Kisu kinakata nyama.(単) Visu vinakata nyama.(複)「ナイフは肉を切る.」
Jiwe linaanguka. (単) Mawe yanaanguka. (複) 「石は落下する.」
Ufunguo unafungua mlango.(単) Funguo zinafungua milango.(複)
「かぎは戸をあける.」
Mahali panazaa mali. 「場所は財産を生みだす.」

5.4.目的辞の用法

目的辞は目的語の人称に一致し,時制辞と動詞語幹の間におかれる.第T類単数の目的辞 m は,その後ろに母音で始まる動詞が続くと m が mw になる.
Wazazi wanaambia mtoto (watoto). 「両親は子ども(たち)に話す.」
Wazasi wanamwambia (anawaambia). 「両親は彼(たち)に話す.」
Tunaonyesha mfano (mifano). 「私たちは例を示す.」
Tunauonyesha (Tunaionyesha). 「私たちはそれ(ら)を示す.」
Silaha zinalinda nchi (nchi). 「武器が国をまもる.」
Silaha zinailinda (zinazilinda). 「武器がそれ(ら)をまもる.」
Unanunua kitambaa (vitambaa). 「あなたは布を買う.」
Unakinunua (Unavinunua). 「あなたはそれ(ら)を買う.」
Tingatinga inalima shamba (mashamba). 「耕うん機は畑をたがやす.」
Tingatinga inalilima (inayalima). 「耕うん機はそれ(ら)をたがやす.」
Watu wanahitaji uhuru. 「人間は自由を必要とする.」
Watu wanauhitaji. 「人間はそれを必要とする.」
Ninajua mahali. 「私は場所を知ってる.」
Ninapajua. 「私はそこを知ってる.」
目的語が明示されている文では,目的辞は省略されるのが普通で,目的語と目的辞が両方使われている場合には,その語を強調する意味を持つ.
Nakupenda. 「私はあなたを愛する.」
Mimi nakupenda. 「私はあなたを愛する.(『私』を強調する)」
Nakupenda wewe. 「あなたを私は愛する.(『あなた』を強調する)」
Mimi nakupenda wewe.「私はあなたを愛する.(『私』と『あなた』の両方を強調する)」
また,目的語に対して「例の,あの」というように特定のものであることを示すときにも,目的辞が使われる.
Anasoma kitabu. 「彼は(何か)本を読んでるよ.」
Anakisoma kitabu.「彼は(その)本を読んでるよ.」
目的辞だけで何をさすかわかっているときには,目的語を省略して目的辞で代用する.
Tunaangalia televisheni. Ninyi mnaiangalia?
「私たちはテレビを見ている.あなたたちはそれ(テレビ)を見る?」
Wageni wanataka maembe. Unayauza?
「お客さんたちがマンゴを欲しいって.あなたはそれを売ってるか?」

5.5.再帰目的辞 ji

目的辞「〜を」が自分自身をさしているときは,特別な目的辞 ji「自分を」を使う.この目的辞を「再帰目的辞」と呼ぶ.再帰目的辞は,主語(主辞)の人称にかかわりなく,共通の形 ji だけが用いられる.この目的辞は動詞語幹と接着した形が,動詞の語幹のようにみなされることがある.次にこのような動詞の例を示す.
kufunza「教える」, kujifunza「勉強する(自分自身を教える)」,
kudharau「軽べつする」,kujidharau「自嘲する(自分自身を軽べつする)」
kuficha「かくす」, kujificha「かくれる(自分自身をかくす)」,
kutegemea「依存する」, kujitegemea「自立する(自分自身に依存する)」
kuvuna「収穫する」, kujivuna「自慢する」
再帰目的辞 ji「自分自身を」といっしょに,他の目的辞や目的語をとることもできる.
Wanajifunza Kiswahili. 「彼らはスワヒリ語を勉強する.」
Wanakijifunza. 「彼らはそれ(スワヒリ語)を勉強する.」

5.6.関係辞の用法

関係辞は,動詞につけられた場合,その動作の関係する語(名詞,代名詞)の人称に一致し,位置は時制辞と動詞語幹の間におかれる.ここでの「関係する」という意味は,関係辞を含む動詞がつながりを持つ語,具体的にはその動作の主体となる語(主語)や目的となる語(目的語)と一体になっているということである.たとえば,Mtu anatembea「人が歩く(歩いてる)」に対して,関係辞を用いると mtu anayetembea「歩く(歩いてる)ところの人」という語句がつくられる.この後者の表現では,動詞形 anayetembea「歩くところの」は,その動作の関係する語 mtu「人」と一体になり,これ全体が一語であるかのような意味を持つ.ここで関係辞が ye になるのは,関係する語 mtu の人称(第I類単数)に一致するためである.
関係辞でつなげられた語句は,文としてはまだ完結せず,文の一部(句)となる.日本語では,関係辞を含む動詞形はその関係する語を修飾するようなかたちで訳される.
(1)関係する語が主語である場合
関係する語が動作の主体(主語)である場合には,語順は変わらずに,後ろに続く動詞に関係辞がつけられる.関係辞は関係する語(主語)の人称に一致する.
Mtu anakimbia.「人が走る.」 mtu anayekimbia「走る人」
Wakulima wanavuna mahindi.「農民たちはとうもろこしを収穫する.」
wakulima wanaovuna mahindi「とうもろこしを収穫する農民たち」
Mmea unaota.「植物が成長する.」 mmea unaoota「成長する植物」
Miguu inauma.「両足がいたい.」 miguu inayouma「いたい両足」
Basi inachukua wasafiri.「バスは旅行者(移動する人々)を運ぶ.」
basi inayochukua wasafiri「旅行者(移動する人々)を運ぶバス」
Nchi zinaendelea.「国々が発展する.」
nchi zinazoendelea「発展する国々(発展途上国)」
Kimbunga kinaharibu mashamba.「台風が田畑をあらす.」
kimbunga kinachoharibu mashamba「田畑をあらす台風」
Vyeti vinafaa.「資格(複数)は役にたつ.」 vyeti vinavyofaa「役にたつ資格(複数)」
Jiwe linaanguka.「石(単数)が落ちる.」 jiwe linaloanguka「落ちる石(単数)」
Maarifa yanaelea.「知識が広まる.」 maarifa yanayoelea「広まる知識」
Uchumi unategemea ukulima.「経済が農業に依存する.」
uchumi unaotegemea ukulima「農業に依存する経済」
関係辞と目的辞を併用するときは,関係辞+目的辞の順序に配列する.
Wagonjwa wananijua.「病人たちは私を知ってる.」
wagonjwa wanaonijua「私を知ってる病人たち」
Visiwa vinawakataa watu.「島々は人間を拒絶する.」
visiwa vinavyowakataa watu「人間を拒絶する島々」
(2)関係する語が目的語の場合
関係する語が動作の目的(目的語)である場合には,原則として目的語が目的辞によって特定される.語順としては関係する語が前におかれ,関係辞を含む動詞は後置される.主語がある場合には,その主語がさらに動詞の後ろにおかれる.
Ninamchukua mwanamke.「私は(その)女性を送っていく.」
mwanamke ninayemchukua「私が送っていく(その)女性」
Sisi tunawasaidia wanafunzi.「私たちは(その)学生たちを援助する.」
wanafunzi tunaowasaidia sisi「私たちが援助する(その)学生たち」
Mpishi anaukata mkate.「料理人は(その)パン(単数)を切る.」
mkate anaoukata mpishi「料理人が切る(その)パン(単数)」
Benki inailipa mishahara.「銀行は(その)給与(複数)を払う.」
mishahara inayoilipa benki「銀行が払う(その)給与(複数)」
Unaiandika barua.「あなたは(その)手紙(単数)を書く.」
barua unayoiandika「あなたが書く(その)手紙(単数)」
Choo kinaziweka karatasi.「トイレには(その)紙(複数)をおいてある.」
karatasi kinazoziweka choo「トイレにおいてある(その)紙(複数)」
Watoto wanakipenda kisa.「子どもたちは(その)話(単数)が好きだ.」
kisa wanachokipenda watoto「子どもたちが好きな(その)話(単数)」
Ninyi mnavifuma vikapu.「あなたたちは(その)カゴ(複数)をあむ.」
vikapu mnavyovifuma ninyi「あなたたちがあむ(その)カゴ(複数)」
Tunalijenga daraja.「私たちは(その)橋(単数)を建設する.」
daraja tunalolijenga「私たちが建設する(その)橋(単数)」
Mswaki unayapiga meno.「歯ブラシは(その)歯(複数)をみがく(たたく).」
meno unayoyapiga mswaki「歯ブラシがみがく(その)歯(複数)」
Wanaupika uji.「彼女たちは(その)かゆを料理する.」
uji wanaoupika「彼女たちが料理する(その)かゆ」
正式には,上のように関係辞と目的辞を併用して関係する語を特定するのが普通だが,このような文でも,目的辞をともなわない言い方が会話などではよく使われる.
mwanamke ninayechukua「私が送っていく女性」
mishahara inayolipa benki「銀行が払う給与(複数)」
vikapu mnavyofuma ninyi「あなたたちがあむカゴ(複数)」

5.7.関係語が省略された関係辞の用法

一部の名詞類では,関係辞の関係する名詞が次に示すようなそれぞれの類の代表的な名詞の場合には,その名詞が省略されることがある.この場合には関係辞が独立して使われることになる.また,かならずしも指し示すものがわかっていないときにも,「ばくぜんとしたもの」という意味で関係語(名詞)をわざと省略することもある.これらの関係辞は,独立で動詞に接着して「〜するところの人(もの)」という意味を表す.
[第T類]mtu/watu「人」
anayesoma kitabu「本を読む人」,wanaosoma vitabu「本を読む人々」
ninayemjua「私が知ってる人」,ninaowajua「私が知ってる人々」
[第U類]mti/miti「木」(まれ)
unaoiva matunda「果実を実らせる木」,inayoiva matunda「果実を実らせる木々」
[第V類]特定の名詞はない(ばくぜんとしたもの,ことなど)
inayofanya barafu「氷をつくるもの(単数)」,
zinazofanya barafu「氷をつくるもの(複数)」
wanayoiogopa「彼らが恐れているもの(こと)(単)」,
wanazoziogopa「彼らが恐れているもの(こと)(複)」
[第W類]kitu/vitu「もの」
kinachofaa「役にたつもの(単数)」,vinavyofaa「役にたつもの(複数)」
anachokitumia「彼が使ってるもの(単)」,anavyovitumia「彼が使ってるもの(複)」

5.8.第Z類の関係辞 po, ko, mo の用法

第Z類の関係辞 po, ko, mo は,その前に第Z類の名詞 mahali「場所」をおかずに独立して使われることが多い.これらの関係辞は,独立で動詞に接着して「〜するところ(の場所)」という意味を表す.
Anaketi.「彼女はすわってる.」 anapoketi「彼女がすわってるところ」
Tunakwenda.「私たちは行く.」 tunakokwenda「私たちが行くところ」
Unajificha.「あなたはかくれる.」 unamojificha「あなたがかくれるところ」
関係辞 po には,独立で動詞に接着して,「〜するとき」のようにその動作の行われる時間帯を示す用法がある.
Ninatembea.「私は歩いてる.」 ninapotembea「私が歩くとき」
Wanapika nyama.「彼らは肉を料理する.」
wanapopika nyama「彼らが肉を料理するとき」
このとき,前に wakati「とき」を補ってもよい.
wakati ninapotembea「私が歩くとき」

5.9.関係接続詞 amba-

「関係接続詞」とは関係辞の代わりをする特殊な接続詞をいう.この接続詞 amba- 「〜であるところの」は関係する語(名詞,代名詞)の人称に一致し,語尾を変化させる.関係辞を用いた場合と関係接続詞を用いた場合とで,意味的には違いがない.しかし,関係辞は接着できる動詞の時制が決まっているので,関係辞の接着できない時制では関係接続詞を使って表現する.また,目的辞などを併用して接辞が多く接着するような場合にも,関係接続詞を使った形が好まれる.
次に関係辞を用いた言い方と関係接続詞 amba- を用いた言い方を対照させて示す.
mtu anayekimbia, mtu ambaye anakimbia「走る人」
watu wanaokimbia, watu ambao wanakimbia「走る人々」
mti unaoota, mti ambao unaota 「成長する木」
miti inayoota, miti ambayo inaota 「成長する木々」
nchi inayoendelea, nchi ambayo inaendelea「発展する国(発展途上国)」
nchi zinazoendelea, nchi ambazo zinaendelea「発展する国々(発展途上国)」
kitabu kinachofaa, kitabu ambacho kinafaa「役にたつ本(単数)」
vitabu vinavyofaa, vitabu ambavyo vinafaa「役にたつ本(複数)」
jiwe linaloanguka, jiwe ambalo linaanguka 「落ちる石(単数)」
mawe yanayoanguka, mawe ambayo yanaanguka 「落ちる石(複数)」
uchumi unaotegemea, uchumi ambao unategemea「依存する経済」
目的辞をともなう場合も同様である.
wakulima wanaonijua, wakulima ambao wananijua「私を知ってる農民」
visiwa vinavyowakataa watu, visiwa ambavyo vinawakataa watu「人間を拒絶する島々」
関係する語が動作の目的(目的語)である場合には,やはり目的語が目的辞によって特定される.語順は関係辞を使った場合と同じである.
mwanamke ninayemchukua, mwanamke ambaye ninamchukua「私が送っていく(その)女性」
mikate anayoikata mpishi, mikate ambayo anaikata mpishi
「料理人が切る(その)パン(複数)」
barua unayoiandika, barua ambayo unaiandika「あなたが書く(その)手紙(単数)」
visa wanavyovipenda watoto, visa ambavyo wanavipenda watoto
「子どもたちが好きな(その)話(複数)」
daraja mnalolijenga, daraja ambalo mnalijenga
「あなたたちが建設する(その)橋(単数)」
uji wanaoupika, uji ambao wanaupika「彼女たちが料理する(その)かゆ」
anapoketi, (mahali) ambapo anaketi「彼女がすわってるところ」
tunakokwenda, (mahali) ambako tunakwenda「私たちが行くところ」
unamojificha, (mahali) ambamo unajificha「あなたがかくれるところ」
関係接続詞を使った文でも,目的辞をともなわない言い方が会話などではよく使われる.
mwanamke ambaye ninachukua「私が送って行く女性」
5.10.名詞類と人称接辞の一致

人称接辞は名詞類に一致させなければならないが,次のような例外がある.
(1)名詞の意味が「人,動物」に関する場合には,名詞の類に関係なく統一的に第I類の人称接辞を使う.
Simba wanalia.「ライオン(複数)がほえてる.」
Ndege anamkula nyoka.「鳥はヘビを食べる.」
Kiongozi anawafundisha vijana.「指導者は若者に教える.」
(2)名詞の意味が「金額」に関する場合には,名詞の形態に関係なく第V類の人称接辞を使う.また,普通は単数扱いとなる.
Anaipata shilingi moja.「彼は1シリングを得る.」
Yen mia moja inanunua kalamu moja.「100円で,鉛筆1本買う.」
(3)名詞の意味が「場所」に関する場合には,名詞の類に関係なく第Z類の人称接辞を使うことができる.
Stesheni kuna vyoo.「駅にはトイレがある.」
しかし,このような場合には名詞の後ろに「場所」であることを意味する接辞 -ni をつけることが多い.またそのような語は文の後ろにおかれる.
Kuna vyoo steshenini.「駅にはトイレがある.」
(4)名詞がいくつかの語の並列である場合には,どの人称に一致させるか決まりはない.通常はその先頭の名詞の類にあわせることが多い.ただし「人,動物」を表す名詞とそれ以外の名詞が並列されているときは,「人,動物」を優先する.また,同じ名詞類に属する名詞が並列している場合にはその類の複数の人称接辞を用いることもある.
Kijiko na kisu kimo (vimo).「スプーンとナイフが中にある.」
(注)-mo は,「存在」を表す第Z類接辞の関係辞の用法.
Nitawachukua watoto na mizigo.「私は子どもたちと荷物を運ぶ.」
この2番目の文のように「人,動物」とそれ以外のものを並列させるのはできるだけ避けた方がよい.ものを表す名詞一般では,第V類複数の人称接辞ですべてをまとめてしまうことも多い.
Matunda, nafaka na mboga zinaiva.「果物や穀物や野菜が実っている.」
(5)人名や地名などのような固有名詞では,名詞の形態に関係なく次のような原則にしたがった名詞類に属するものとみなして,人称接辞を一致させる.
人名に関しては,統一的に第I類の人称接辞を使う.
Juma anakimbia.「ジュマ(男子名)は走ってる.」
Fatima anapika wali.「ファティマ(女子名)はごはんを作ってる.」
Hamisi na Yohana wanacheza tenisi.
「ハミシ(女子名)とヨハナ(男子名)はテニスをする.」
名詞の意味が「国名,地域名,ものの名前」に関する場合には,第V類の人称接辞を使う.ただし,普通の名詞を固有名詞化したものはそのもとの名詞の類に一致させる.
Ujapani ina bahari.「日本には海がある.」
Tunazijua Ulaya na Amerika.「私たちはヨーロッパとアメリカを知ってる.」
Ziwa Turkana halina chumvi?「トゥルカナ湖には塩分は含まれてないですか?」