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第8章 過去,完了,未来時制

8.1.過去時制と完了時制

現在時制「〜する」に対して,「過去時制」は「〜した」のように,過去に起こった動作や状態を表す.この時制の肯定の接辞は li,否定の接辞は ku である.現在時制の接辞と同じように,過去時制の接辞は主辞と動詞語幹の間の位置におかれる.否定形を作るときは,普遍時制と同じく否定辞の ha を接着させる.過去時制を現在時制(否定形は普遍時制)と対比させると次のようになる.
[現在]Ninatembea.「私は歩く.」 [過去]Nilitembea.「私は歩いた.」
[普遍]Sitembei. 「私は歩かない.」 [過去]Sikutembea.「私は歩かなかった.」
前に主語をおいたり,後ろに目的語をおく場合も同じである.
Sisi tulisikiliza redio. 「私たちはラジオを聞いた.」
Ninyi hamkusoma gazeti? 「あなたたちは新聞を読まなかったのか?」
現在時制「〜する」に対して,完了時制は「〜してしまった,〜したことがある」のように,現時点ですでに完了していることがら,結果,経験などを意味する.この時制の肯定の接辞は me,否定の接辞は ja である.接辞の位置は過去時制と同じになる.否定形を作るときは,普遍時制と同じく否定辞の ha を接着させる.完了時制を現在時制(否定形は普遍時制)と対比させると次のようになる.
[現在]Analala.「彼は寝ている.」 [完了]Amelala. 「彼は寝てしまった.」
[普遍]Halali. 「彼は寝ない.」 [完了]Hajalala.「彼はまだ寝てない.」
前に主語をおいたり,後ろに目的語をおく場合も同じである.
Msichana amepeleka barua.「少女はもう手紙を出してしまった.」
Watumishi hawajafanya kazi.「使用人たちはまだ仕事をしていない.」
過去時制と完了時制が目的辞をともなう場合には,現在時制の場合と同じ順序で接辞が並ぶ.
Wewe ulipokea pesa? 「あなたは金を受けとった?」
Niliipokea. 「私はそれ(金)を受けとった.」
Sikuipokea. 「私はそれ(金)を受けとらなかった.」
Amesoma gazeti? 「彼は雑誌を読んじゃった?」
Amelisoma. 「彼はそれ(雑誌)を読んじゃったよ.」
Hajalisoma. 「彼はそれ(雑誌)をまだ読んでない.」
過去時制が関係辞をともなう場合には,現在時制の場合と同じ順序で接辞が並ぶ.ただし,関係辞をともなう否定形は作ることができない.また,完了時制では関係辞をともなうことはできない.必要がある場合には過去時制で代用するか,または関係接続詞 amba-を用いる.
Wewe ulipokea pesa. 「あなたは金を受けとった.」
wewe uliyepokea pesa, wewe ambaye ulipokea pesa 「金を受けとったあなた」
wewe uliyeipokea, wewe ambaye uliipokea 「それ(金)を受けとったあなた」
Amesoma gazeti. 「彼は雑誌を読んじゃった.」
yeye aliyesoma gazeti, yeye ambaye amesoma gazeti 「雑誌を読んじゃった彼」
yeye aliyelisoma, yeye ambaye amelisoma 「それ(雑誌)を読んじゃった彼」

8.2.未来時制

現在時制「〜する」に対して,「未来時制」は「〜するだろう,〜することになっている」のように,未来に起こると予想される動作や状態を意味する.この時制の接辞は肯定,否定ともに ta である.接辞の位置は過去時制や完了時制と同じになる.否定形を作るときは,やはり同じく否定辞の ha を接着させる.未来時制を現在時制(否定形は普遍時制)と対比させると次のようになる.
[現在]Tunaona.「私たちは見る.」 [未来]Tutaona. 「私たちは見るだろう.」
[普遍]Hatuoni.「私たちは見ない.」 [未来]Hatutaona.「私たちは見ないだろう.」
前に主語をおいたり,後ろに目的語をおく場合も同じである.
Mimi nitatengeneza mashine. 「私は機械を修理する予定です.」
Watoto watacheza soka. 「子どもたちはサッカーをするだろう.」
未来時制が目的辞をともなう場合には,現在時制,過去時制,完了時制の場合と同じ順序で接辞が並ぶ.
Mimi nitangoja walimu? 「私が先生たちを待つの?」
Utawangoja. 「あなたが彼ら(先生たち)を待つんだよ.」
Hutawangoja. 「あなたは彼ら(先生たち)を待たないんだよ(待たなくていい).」
Watajaribu mitihani? 「彼らは試験に挑戦するだろうか?」
Wataijaribu. 「彼らはそれら(試験)に挑戦するだろう.」
Hawataijaribu. 「彼はそれら(試験)に挑戦しないだろう.」
未来時制の接辞 ta は「望む,したい」という意味の動詞 taka から派生したもので,関係辞をともなう場合には,このもとの動詞語幹 taka の形が復活して使われる.この場合の taka も時制辞の一種と考えられている.関係辞をともなう否定形はつくることはできない.
Ngamia watasafiri majangwa.「ラクダたちは砂漠を旅するだろう.」
ngamia watakaosafiri majangwa, ngamia ambao watasafiri majangwa
「砂漠を旅するだろうラクダたち」
ngamia watakaoyasafiri, ngamia ambao watayasafiri
「それら(砂漠)を旅するだろうラクダたち」
また,会話体の文では関係辞をともなっても taka ではなく ta をそのまま時制辞として用いることがある.
Sisi tutapanda mashua. 「私たちは船に乗る予定だ.」
sisi tutaopanda (tutakaopanda) mashua 「船に乗る予定の私たち」

8.3.現在,普遍,過去,完了,未来時制のまとめ

現在,普遍,過去,完了,未来時制は,肯定形と否定形で,また目的辞,関係辞などをともなうかともなわないかによって,次のような変化をする.動詞 kupata「得る」を例にとってその変化のようすを示す.目的辞はここでは第V類単数 i 「それを」とする.
時制 時制辞 pata「得る」
主+動 主+目+動 主+関+動 主+関+目+動
現在 肯定 na ninapata
私は得る
ninaipata
私はそれを得
ninayepata
得る私
ninayeipata
それを得る私
普遍 肯定 a napata
私は得る
naipata
私はそれを得
napataye
得る私
naipataye
それを得る私
否定 -i sipati
私は得ない
siipati
私はそれを得な
nisiyepata
得ない私
nisiyeipata
それを得ない私
過去 肯定 li nilipata
私は得た
niliipata
私はそれを得
niliyepata
得た私
niliyeipata
それを得た私
否定 ku sikupata
私は得なかっ
sikuipata
私はそれを得な
かった
完了 肯定 me nimepata
私は得てしま
った
nimeipata
私はそれを得て
しまった
否定 ja sijapata
私はまだ得て
ない
sijaipata
私はそれをまだ
得てない

未来 肯定 ta nitapata
私は得るだろ
nitaipata
私はそれを得る
だろう
nitakayepata
nitayepata
得ることにな
てる私
nitakayeipata
nitayeipata
それを得ること
になってる私
否定 ta sitapata
私は得ないだ
ろう
sitaipata
私はそれを得な
いだろう

8.4.単音節動詞の現在,普遍,過去,完了,未来時制

単音節(1音節)の動詞,たとえば kula「食べる」,kuja「来る」,kunywa「飲む」,kufa「死ぬ」などでは,現在,普遍,過去,完了,未来の各時制で,2音節以上の動詞とは少し違った変化をする.それは単音節ということから起こるいいにくさ,聞きにくさを補うために,語頭に不定時制接辞の ku をともなった形をそのまま使って語調を整えるからである.単音節動詞 kula「食べる」を例にとって,その変化のようすを示すと次のようになる.目的辞は第V類単数 i 「それを」とする.
時制 時制辞 la「食べる」
主+動 主+目+動 主+関+動 主+関+目+動
現在 肯定 na ninakula
私は食べる
ninaikula
私はそれを食べ
ninayekula
食べる私
ninayeikula
それを食べる私
普遍 肯定 a nala
nakula
私は食べる
naila
naikula
私はそれを食べ
nalaye
nakulaye
食べる私
nailaye
naikulaye
それを食べる私
否定 -i sili
私は食べない
siili
私はそれを食べ
ない
silaye
食べない私
siilaye
それを食べない
過去 肯定 li nilikula
私は食べた
niliikula
私はそれを食べ
niliyekula
食べた私
niliyeikula
それを食べた私
否定 ku sikula
私は食べなか
った
sikuila
私はそれを食べ
なかった

完了 肯定 me nimekula
私は食べてし
まった
nimeikula
私はそれを食べ
てしまった
否定 ja sijala
sijakula
私はまだ食べ
てない
sijaila
sijaikula
私はそれをまだ
食べてない
未来 肯定 ta nitakula
私は食べるだ
ろう
nitaikula
私はそれを食べ
るだろう
nitakayekula
nitayekula
食べることに
ってる私
nitakayeikul
nitayeikula
それを食べる
とになってる
否定 ta sitakula
私は食べない
だろう
sitaikula
私はそれを食べ
ないだろう
上下2段に並んでいるものでは,上の方がより標準的とされている形である.普遍時制と完了時制(否定形)では,単音節動詞でも不定時制接辞の ku をとらない.しかし,実際の会話文では普遍時制の否定形を除いて,単音節動詞の語調を整えるために ku をいつも補おうとする傾向がみられる.

完了時制に関係辞をともなう形はないので,過去形の形で代用される.また,関係辞と目的辞を両方含んだ形は,複雑になるので実際にはあまり使われない.
単音節動詞の中で,kupa「与える」は常に目的辞といっしょに使われるために,不定時制の接辞 ku をともなわないで各時制の形をつくる.また,この動詞は「〜に」を意味する「人」を表す目的辞と,「〜を」を意味する「もの」を表す目的辞の2つの目的辞を同時にとることができる.目的辞の並ぶ順序は「人」+「もの」の順になる.3人称単数の目的辞 m 「彼に」と,第V類単数目的辞 i 「それを」を使った例を次に示す.両方が並ぶと m+i は mwi となる.
Ninampa.「私は彼に与える」 Ninamwipa.「私は彼にそれを与える.」
ninayempa「彼に与える私」 ninayemwipa「彼にそれを与える私」
2音節の動詞の中にも単音節動詞と同じような変化をするものがある.kwenda「行く」,kwisha「終わる」は2音節の動詞だが,単音節動詞と同じような変化をし,不定時制の接辞 kw をともなう形が上の表と同じところで使われる.しかし,kw をともなわない言い方も会話体では使われる.
Tunakwenda (tunaenda) shuleni. 「私たちは学校へ行くところです.」
Kazi zimekwisha (zimeisha). 「仕事は終わった.」

8.5.動詞 kwisha「終わる」を使った特殊な完了時制

動詞 kwisha「終わる」の完了時制は,その後ろに他の動詞の語幹(単音節動詞では不定時制形)を後ろにおいて,「〜し終えてしまった,ちょうど〜したところだ」という意味を表す.ただし,この否定形はつくられない.
Nimekwisha soma kitabu. 「私は本を読み終えた.」
Wakulima wamekwisha vuna mahindi. 「農民たちはとうもろこしを刈りとり終わった.」
Tumekwisha kula chakula. 「私たちはちょうどごはんを食べたところだ.」
このとき,たとえば nimekwisha soma の部分は,nimekwishasoma と1語でつづられたり,さらに形を短縮して nimeshasoma のように言い表されることもある.どの形も意味は同じである.会話体では特に短縮形を用いた文が好まれる.
Redio imeshatangaza habari ya leo. 「ラジオはきょうのニュースを放送し終わった.」
Ameshakunywa kahawa. 「彼はちょうどコーヒーを飲んだところだ.」
このような用法は,動詞 kwisha を用いた場合に限られる.特に短縮形 -mesha- を使った文では,動詞 kwisha の意味がほとんど意識されず,その用法は時制接辞の用法に近いものとなる.そこでこれを「特殊な完了時制」と考えることができる.

8.6.主辞+ -po, -ko, -mo にさらに関係辞がつく形

「場所」を表す名詞第Z類の関係辞 po, ko, mo は,古い動詞の *li「ある,いる」をともなって,他の語と関係する語句を作る.たとえば「私がいる場所」の意味は,mahalinilipo(niliko, nilimo)のように表される.この関係語 mahali「場所」はよく省略されて,[主辞+ *li +関係辞 po,ko,mo]のかたちで「〜がいる(ある)ところの場所」の意味を表すことが多い.否定形では *li が si になる.
関係する語が主辞と一致する場合,つまり「〜にいる(ある)ところの〜」の意味を表すには,さらに主辞の人称に応じた関係辞を *li の後ろに接着させる.たとえば「ここ (あそこ,そこ)にいる彼(女)」の意味は,aliyepo(aliyeko, aliyemo)のように表される.
それぞれの人称に肯定形と否定形があるのでその形を次に示す.関係辞 po, ko, mo の使い分けは,関係する場所が pa「比較的せまい地点」か ku「広がりを持つ場所や方向」か m 「内部を示す場所」であるかの違いによる.

人 称 場所を表す接辞 意 味
po ko mo
1人称
nilipo
niliyepo
niliko
niliyeko
nilimo
niliyemo
私がいるところ
〜にいる私

nisipo
nisiyepo
nisiko
nisiyeko
nisimo
nisiyemo
私がいないところ
〜にいない私

tulipo
tuliopo
tuliko
tulioko
tulimo
tuliomo
私たちがいるところ
〜にいる私たち

tusipo
tusiopo
tusiko
tusioko
tusimo
tusiomo
私たちがいないところ
〜にいない私たち
2人称
ulipo
uliyepo
uliko
uliyeko
ulimo
uliyemo
あなたがいるところ
〜にいるあなた

usipo
usiyepo
usiko
usiyeko
usimo
usiyemo
あなたがいないところ
〜にいないあなた

mlipo
mliopo
mliko
mlioko
mlimo
mliomo
あなたたちがいるところ
〜にいるあなたたち

msipo
msiopo
msiko
msioko
msimo
msiomo
あなたたちがいないところ
〜にいないあなたたち
3人称
第I類

alipo
aliyepo
aliko
aliyeko
alimo
aliyemo
彼(女)がいるところ
〜にいる彼(女)

asipo
asiyepo
asiko
asiyeko
asimo
asiyemo
彼(女)がいないところ
〜にいない彼(女)

walipo
waliopo
waliko
walioko
walimo
waliomo
彼(女)たちがいるところ
〜にいる彼(女)たち

wasipo
wasiopo
wasiko
wasioko
wasimo
wasiomo
彼(女)たちがいないところ
〜にいない彼(女)たち
第U類
ulipo
uliopo
uliko
ulioko
ulimo
uliomo
それがあるところ
〜にあるそれ

usipo
usiopo
usiko
usioko
usimo
usiomo
それがないところ
〜にないそれ

ilipo
iliyopo
iliko
iliyoko
ilimo
iliyomo
それらがあるところ
〜にあるそれら

isipo
isiyopo
isiko
isiyoko
isimo
isiyomo
それらがないところ
〜にないそれら

第V類
ilipo
iliyopo
iliko
iliyoko
ilimo
iliyomo
それがあるところ
〜にあるそれ

isipo
isiyopo
isiko
isiyoko
isimo
isiyomo
それがないところ
〜にないそれ

zilipo
zilizopo
ziliko
zilizoko
zilimo
zilizomo
それらがあるところ
〜にあるそれら

zisipo
zisizopo
zisiko
zisizoko
zisimo
zisizomo
それらがないところ
〜にないそれら
第W類
kilipo
kilichopo
kiliko
kilichoko
kilimo
kilichomo
それがあるところ
〜にあるそれ

kisipo
kisichopo
kisiko
kisichoko
kisimo
kisichomo
それがないところ
〜にないそれ

vilipo
vilivyopo
viliko
vilivyoko
vilimo
vilivyomo
それらがあるところ
〜にあるそれら

visipo
visivyopo
visiko
visivyoko
visimo
visivyomo
それらがないところ
〜にないそれら
第X類
lilipo
lililopo
liliko
lililoko
lilimo
lililomo
それがあるところ
〜にあるそれ

lisipo
lisilopo
lisiko
lisiloko
lisimo
lisilomo
それがないところ
〜にないそれ

yalipo
yaliyopo
yaliko
yaliyoko
yalimo
yaliyomo
それらがあるところ
〜にあるそれら

yasipo
yasiyopo
yasiko
yasiyoko
yasimo
yasiyomo
それらがないところ
〜にないそれら
第Y類
ulipo
uliopo
uliko
ulioko
ulimo
uliomo
それがあるところ
〜にあるそれ

usipo
usiopo
usiko
usioko
usimo
usiomo
それがないところ
〜にないそれ
第Z類 肯定 palipo kuliko mlimo そこ(ここ)にあるところ
否定 pasipo kusiko msimo そこ(ここ)にないところ

「〜がいる(ある)ところ(の場所)」の表現では,実際の関係語 mahali「場所」は省略される.mahali も含めて他の場所を示すことばを前に置くときは,所有接続詞 -a を間に補うのが普通である.
(mahali pa) chui alipo「ヒョウがいるところ(の場所)」,
bustani ya mwitu uliko「森のある公園」,vyupa vilimo「ビンが入ってるところ」,
mahali pasipo「場所のないところ」,salama isiko「平和のないところ」,
watu wa uangalifu usimo「注意力のない人」
Mahali (pa) nilipo ni afisi.「私がいるところは事務所です.」
Mnatoka umeme usiko? 「あなたたちは雷(電気)のないところからきたの?」
Amesahau nguo zilimo.「彼は服が入ってるところを忘れたんだって.」
「〜にいる(ある)ところの〜」の表現では,関係語の人称にあわせた主辞と関係辞が接着する.この後ろにはふつう場所を表す名詞(代名詞)が続く.後ろに何も続かない場合は,接辞 po, ko, mo に応じて「そこ,ここ」の訳語を補う.
maua yaliyopo juu ya meza「テーブルの上にある花」,
mali iliyoko benki「銀行にある財産」,samaki waliomo ziwa「湖にいる魚」,
vitabu visivyopo「ここにない本」,mimea isiyoko Ujapani「日本にない植物」,
Watu wasiopo jikoni hawali chakula.「台所にいない人は食事をしない.」
Mnajua mahindi yaliyoko? 「あなたたちはそこにあるとうもろこしを知ってるか?」
Nitakupa vitu vilivyomo sandukuni.
「箱の中に入っているものを私はあなたにあげよう.」

8.7.接続詞 na に続く人称代名詞の短縮形

接続詞 na「そして,〜と〜」の後ろに人称代名詞が続くと,人称代名詞は短縮された形をとって,接続詞 na に接着することがある.短縮形が接着した形は次のようになる.
単数 複数
na+人称代名詞 na + 短縮形 na+人称代名詞 na + 短縮形
1人称 na mimi
〜と私
nami
私といっしょに
na sisi
〜と私たち
nasi
私たちといっしょ
2人称 na wewe
〜とあなた
nawe
あなたといっしょ
na ninyi
〜とあなたたち
nanyi
あなたたちといっ
しょに
3人称 na yeye
〜と彼(女)
naye
彼(女)といっしょ
na wao
〜と彼(女)たち
nao
彼(女)たちといっ
しょに
na +短縮形の形は,「〜といっしょに,〜をつれて」などの意味で,動詞の後に続くときによく用いられる.このとき,短縮されない形を用いてもかまわない.
Tunaenda naye. 「私たちは彼といっしょに行きます.」
Tunaenda na yeye. 「私たちは彼といっしょに行きます.」
Wavulana walicheza na wasichana. 「少年たちは少女たちと遊んだ.」
Wavulana walicheza nao. 「少年たちは彼女たちと遊んだ.」
「〜と〜」のように,代名詞(名詞)と人称代名詞を並列するときは,短縮しない形を用いることが多い.
ninyi na wao「あなたたちと彼ら」, Fatima na mimi「ファティマと私」

8.8.関係辞と接着する na の使い方

接続詞 na が各名詞類の人称接辞を後ろにともなうときは,関係辞 -o の形をとる.この形はやはり,「〜といっしょに」という意味で使われることが多い.
単数 複数
主辞 na +接辞 主辞 na +接辞
第T類 mtu
a,yu
彼(女
naye
彼(女)といっしょ
watu
人々
wa
彼(女
たち
nao
彼(女)たちといっ
しょに
第U類 mti
u
それは
nao
それといっしょに
miti
木々
i
それら
nayo
それらといっしょ
第V類 nyota
星(単
数)
i
それは
nayo
それといっしょに
nyota
星(複
数)
zi
それら
nazo
それらといっしょ
第W類 kit
もの
(単
ki
それは
nacho
それといっしょに
vit
もの
(複
vi
それら
navyo
それらといっしょ
第X類 jiwe
星(
数)
li
それは
nalo
それといっしょに
mawe
星(
数)
ya
それら
nayo
それらといっしょ
第Y類 utu
人間
u
それ
nao
それといっしょ

第Z類 mahal
場所
pa
ここ
napo
ここといっしょ
単数形に同じ
ku
そこ
nako
そこといっしょ
m
そこ
namo
そこといっしょ
この形は,「〜といっしょに,〜をもって」という意味で動詞の後ろに続く.
Alienda na mwavuli. 「彼はかさをもって行った.」
Alienda nao. 「彼はそれをもって行った.」
この関係辞は na 「〜を持つ,ある,いる」を使った動詞表現の目的辞ともなる.
Una babu? 「あなたには祖父がいる?」 Ninaye.「いるよ.」
Wana vyakula? 「彼らには食べものがありますか.」 Wanavyo.「ありますよ.」

接続詞 na に各名詞類の関係辞(人称代名詞の短縮形)がついた形は,さすものがわかっている場合に使われる.疑問文の答えとして使われることが多い.通常の文では,前に主辞を補って次のように使われる.
Wewe una baba? 「あなたは父親といっしょか(父親がいるか)?」
Ninaye. 「私は彼(父親)といっしょだ.」
Sinaye. 「私は彼(父親)といっしょじゃない.」
Ana ninyi? Anasi. Hanasi.
「彼はあなたたちといっしょにいる? (私たちと)いっしょだよ. (私たちと)いっしょじゃないよ.」
Mna viberiti? 「あなたたちはマッチを持ってる?
Tunavyo. 「私たちはそれ(マッチ)を持ってる.」
Hatunavyo. 「私たちはそれ(マッチ)を持ってない.」
Mimea ina mizizi? Inayo. 「植物には根がありますか? ありますよ.」
Duka lina mayai? Halinayo. 「店にはたまごがある? ないよ.」
Kuna ndizi? Kunazo. 「そこにバナナある? あるよ.」
Mna watu? Hamnao. 「中に人がいる? いない.」
また,「na +各名詞類の関係辞(人称代名詞の短縮形)」の形は,そのまま文頭で使われると,「〜としては,そして〜は」の意味を表す.
Ninyi ni Waafrika. Nasi, Waasia. (Na sisi, Waasia.)
「あなたたちはアフリカ人だ.そして,私たちはアジア人だ.」
Unaenda kanisani? Nami, siendi. 「あなたは教会へ行く? 私としては行かない.」Nguo zitampendeza. Navyo, viatu pia.
「服は彼女の気に入りますよ.それにくつだって.」
これらの形が「〜をともなうところの」という意味で,他のものを修飾する語句になるときは,関係辞のついたけい辞をともなって次のように表される.
Chumba kina choo. 「部屋にトイレがついてる.」
chumba kilicho na choo 「トイレがついた部屋」
chumba kilicho nacho 「それ(トイレ)がついた部屋」
Mto hauna daraja. 「川には橋がない.」
mto usio na daraja 「橋のない川」
mto usio nalo 「それ(橋)のない川」
Sina pesa. 「私は金がない.」
mimi nisiye na pesa 「金がない私」
mimi nisiye nayo 「それ(金)がない私」