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第12章 動詞機能型 受動型と補足型 副詞,疑問詞

12.1.動詞機能型の働き

動詞の意味を、「〜する」に対して「〜される」のように、うけみのかたちにしたり,「〜のためにしてやる」のように、授与的な意味をあたえるときは,動詞語幹にそれぞれの意味をもった接辞(形態素)を接着させる.このように動詞そのものの意味を変化させる接辞を動詞機能型の接辞とよび,時制の接辞と区別する.
動詞機能型の接辞のついた動詞形は,さらにその前後に人称接辞と辞制接辞を接着させて,完全なひとつの動詞形をつくりあげる.動詞機能型は,人称,時制と無関係になりたつので,これにはすべての種類の人称,時制が接着しうる.動詞機能型の接辞はひとつだけが接着するとはかぎらない.すでに機能型接辞のついた動詞形がのついた動詞形は,またあらたな動詞語幹となり,それにさらにべつの動詞機能型の接辞を接着させることができる.

12.2.動詞機能型にみられる音韻変化

動詞機能型では,どの型にもいくつか共通した音韻変化がおこる.それらをまとめるとつぎのようになる.
(1)子音 l の脱落と復活
スワヒリ語では母音にはさまれた子音 l は母音に同化しやすく,「ふるい時代に発音されていた l 音が発音されなくなって消滅した」という歴史的な音韻変化がいくつかの例でたしかめられている.動詞の最後の音節にあらわれる l 音もそのうちのひとつで,みかけじょう母音が連続している動詞のおおくは,l 音が脱落した結果とかんがえられる.
kukataa (<*kukatala)「否定する」, kufumbua (<*kufumbula)「あける」
ところがこれらの動詞は,動詞機能型の接辞をつけると、脱落していたこの l 音が復活することがある.
kukataa/kukataliwa(<*kukatal+wa)「(受動型)否定される」
kufumbua/kufumbulia(<*kufumbul+ila)「(補足型)あけてやる」
(2)母音の同化
母音の i,u は、その周囲の母音によって影響をうけ,それぞれ i が e に,u が o にかわることがある.動詞機能型の接辞のいくつかも,動詞語幹の母音によって影響され,接辞の直前の音節が母音 e,o であるときは、i,u が e,o にかわる.
kuleta「もってくる」/kuletea(<*kulet+ila)「もってきてやる(補足型)」
kusoma「よむ」/kusomeka(<*kusom+ika)「よめる(自発型)」
kusonga「かたむく,へこむ」/kusongoa(<*kusong+ula)「ねじる(意味をつよめる機能型)」

12.3.受動型

受動型は、「〜する」に対して「〜される」という、うけみの意味を持つ.しかしその用法は、客観的な受動にとどまらず,たとえば kufa「しぬ」に対する kufiwa「しなれる」のように,動作の影響や利害をこうむる意味にもつかわれる.受動型は動詞語幹語尾に wa のついたかたちであらわされる.この語尾変化は、動詞語幹の形態によって音韻が変化する.
動詞語幹が母音 a でおわるものは,その母音を wa にかえて語幹につづける.
kuita「よぶ」/kuitwa「よばれる」,kusikia「きく」/kusikiwa「きかれる」
ただし,母音連続 aa,ua でおわる場合には語尾の母音 a を liwa にかえる.
kuvaa「着る」/kuvaliwa「着られる」,
kufumbua「あける」/kufumbuliwa「あけられる」
母音連続 oa でおわる場合には a を lewa にかえる。
kutoa「だす」/kutolewa「だされる」
1音節の動詞では,語尾の母音 a を iwa,ewa にかえる.
kula「たべる」/kuliwa「たべられる」,kuja「くる」/kujiwa「こられる」,
kupa「与える」/kupewa「与えられる」,kunywa「飲む」/knywewa「飲まれる」
動詞語幹の語尾が a 以外の母音でおわる場合には,その最後の母音を iwa,ewa にかえる.
kuharibu「こわす」/kuharibiwa「こわされる」,
kudai「要求する」/kudaiwa「要求される」,
kusafiri「旅行する」/kusafiriwa「旅行される」,
kusamehe「ゆるす」/kusamehewa「ゆるされる」
ただし,母音連続 au でおわる場合には,語尾に liwa をつけくわえる.
kudharau「軽べつする」/kudharauliwa「軽べつされる」
動詞の受動型をつかった文をふつうの文と区別して,受動文という.これに対して受動型以外のふつうの文を,能動文という.つぎに,能動と受動の文を対比して,例文をいくつかしめす.受動文での動作の主体は,接続詞の na「〜によって」によってみちびかれる.
[能動]Twamwita Juma.「わたしたちは、かれをジュマとよぶ.」
[受動]Yeye aitwa Juma nasi.「かれはわたしたちによってジュマとよばれる.」
[能動]Ni nani aliyelijenga lengo hili?「このたてものをたてたのはだれか?」
[受動]Lengo hili lilijengwa na nani?
「このたてものはだれによってたてられたのか?」
[能動]Mama yetu amekufa.「わたしたちの母はしんでしまった.」
[受動]Tumefiwa na mama yetu.「わたしたちは母にしなれてしまった.」
[能動]Wazungu wengi husafiri Bara Afrika.
「おおくのヨーロッパ人がアフリカ大陸を旅行する.」
[受動]Bara Afrika husafiriwa na wazungu wengi.
「アフリカ大陸はおおくのヨーロッパ人によって旅行される.」

12.4.補足型

補足型は,通常の動詞に対して,「〜のためにする」のように対象・目的を明確にしたり,「〜してやる」のように授与的な意味をつけくわえるはたらきをする.このほかにも,所有接続詞のうしろにつづいて、「〜するためにつかうところの」という道具的な意味にもつかわれる.また,意味を特定できないような用法もおおい.もともとは「〜に〜を」のように,二重に目的語をとるための機能型だったのだろうとおもわれる.
補足型は、動詞語幹に i または e のついたかたちで、あらわされる.補足型も,受動型とおなじように、語幹の形態によって語尾が音韻変化をおこす.
動詞語幹が母音 a でおわるものは,その母音を ia にかえて語幹につづける.
kuandika「書く」/kuandikia「書いてやる」,kukata「切る」/kukatia「切ってやる」,kufuma「あむ」/kufumia「あんでやる」、kupata「える、とる」/kupatia「とってやる」
ただし,動詞語幹のうしろから2番めの音節の母音が o または e のときは,語尾の母音 a を ea にかえる.
kuleta「もってくる」/kuletea「もってきてやる」,
kuchora「けずる」/kuchorea「〜のためにけずる」
母音連続 aa,ua でおわるばあいには、語尾の母音 a を lia にかえる.
kukaa「滞在する」/kukalia「〜のために滞在する」,
kufumbua「あける」/kufumbulia「あけてやる」
母音連続 oa でおわる場合には、a を lea にかえる.
kutoa「だす」/kutolea「だしてやる」
1音節の動詞では,動詞語幹語尾の母音 a を ia,ea にかえる.
kuja「くる」/kujia「〜のためにくる」,kunywa「のむ」/kunywea「〜のためにのむ」
動詞語幹の語尾が a 以外の母音でおわる場合には,その最後の母音を ia,ea にかえる.
kujibu「こたえる」/kujibia「〜のためにこたえる」,
kudai「要求する」/kudaia「〜のために要求する」,
kusamehe「ゆるす」/kusamehea「ゆるしてやる」
ただし,母音連続 au でおわるばあいには,語尾に lia をつけくわえる.
kudharau「軽べつする」/kudharaulia「〜のために軽べつする」

12.5.補足型の用法

補足型の用法はひろいが,まとめるとだいたいつぎのようなものがある.
(1)「〜に〜を」のように二重に目的語をとるときにもちいられる。「〜のためにする、〜してやる」のように授与の意味をあらわすことがおおい.このときは,授与の対象になる人称の目的辞をともなう.これは、かならずしもよい意味だけとはかぎらない.
Nitaandika barua.「わたしはてがみを書こう。」
Nitakuandikia barua.「わたしは、あなたにてがみを書いてやろう.」
Shangazi amemnunulia msichana pete.「おばさんは少女に指輪を買ってやった.」
Tuletee maji baridi.「わたしたちに、つめたいみずをもってきてくれ.」
Nisalimie kwenu.
「みなさんによろしく.(わたしのために、あなたのいえのひとたちに、あいさつしてください)」
Mkuu aliwapigia wanafunzi matakoni.「校長は生徒たちのしりをたたいた.」
(2)所有接続詞 -a に補足型の不定時制のかたちをつづけて,「〜するためにつかうところの」という道具的な意味をあらわす.補足型にしないで所有接続詞のうしろにつづけると,そのものに対して動作がおこなわれることになる.
[ふつうの動詞形]kitu cha kula「たべるもの」(「もの」そのものを食べる場合)
[補足型の動詞]chumba cha kulia「たべるための部屋,食堂」(「食堂」そのものをたべるのではなく,たべるためにつかうもの(場所)のばあい)
karatasi ya kukunja「おりがみ(紙そのものをおる)」,
karatasi ya kufunikia「つつみ紙(つつむためにつかう紙)」,
kifaa cha kupikia「料理するための道具」,
pesa ya kununulia saa「とけいを買うための金」,
chumba cha kuogea「浴室」,chumba cha kulalia「寝室」,
mashine za kutambulia mafuta chini ya bahari「海底油田を探査する機械」
(3)動作の目的,到達点,分離などを強調する意味につかわれる.ふつうの動詞形をつかったときよりも,意味がつよめられる.
kuanza「〜をはじめる」、kuanzia「〜にはじまる」
[ふつう文]Nimefuata kiongozi.「わたしは指導者にしたがってきた.」
[補足型]Nimefuatia kiongozi nikafika hapa.
「わたしは指導者にしたがってここまできた.」
[ふつう文]Alitupa nguo kuukuu.「かのじょは、ふるいきものをすてた.」
[補足型]Alitupia nguo kuukuu kikapuni.
「かのじょは、ふるいきものをかごへすてさった.」
(4)このほかに,意味の変化を特定できないものもある.
kunuka「(わるい)においがする」/kunukia「(いい)においがする」
kuhama「〜をひきはらう」/kuhamia「〜へうつる、〜へひっこす」
Maua haya yanuka ama yanukia?
「この花はへんなにおいがする,それともいいにおいがする?」
Kesho tutahama hapa na kuhamia Jiji Nairobi.
「わたしたちは、あしたここをひきはらって,首都ナイロビへ、ひっこす.」
(5)補足型接辞のかさね形
補足型の接辞 ia,ea が、かさねられると,特別な意味になる.
kwenda「いく」,kuendelea(<*kuend+il+ila)「進歩する,発展する」
kupenda「愛する,このむ」,kupendelea(<*kupend+il+ila)「とてもこのむ,趣味にする」
Wengi walipendelea kusoma hadithi ya“Leo, Simba Mweupe".
「おおくのひとが夢中になって、『しろい獅子レオ』のものがたりをよんだ.」

12.6.動詞のかさね形と用法

任意の動詞について,語幹部分をかさね形にすることがある.このような動詞では,「なんどもくりかえし〜する,〜しつづける」のように反復,継続,強調などの意味をもつ.
kusema「いう」/kusemasema「なんどもいう」,
kupiga「たたく」/kupigapiga「たたきつづける,連打する」,
kutembea「あるく,さんぽする」/kutembeatembea「うろうろあるきまわる」,
kutaka「のぞむ」/kutakataka「しつこくほしがる」
kumetameta「キラキラひかる,かがやく」では,かさね形のほうが、ふつうにつかわれるようになって,もとの kumeta「ひかる」は,辞書にのることもまれになってしまっている.
Wanyanganya wanatembeatembea jioni.「かっぱらいが、ゆうがたにはうろうろしてる.」
Nyota zinametameta angani.「そらには、ほしがキラキラかがやいている.」

12.7.副詞の種類と用法

「副詞」とは,動詞や形容詞のうしろにつけられて,その動作や状態の程度、ようすをあらわすことばをいう.副詞のなかには、その用法がさらにひろがって,名詞などほかの品詞や文全体に対しても、修飾するものもある.スワヒリ語の本来の副詞の数は、それほどおおくはない.しかし,形容詞などほかの品詞が、副詞的につかわれるので,全体の数としてはかなりなものになる.
◇ tena「もういちど」,upesi「はやく(速度が)」,mapema「(時間が)早く」,polepole「ゆっくり」は,動詞を修飾する.
Unaweza kusoma herufi hii tena?「もういちど、この文字をよんでもらえますか?」
Alianza kula chamshakinywa polepole?「かれは、ゆっくり朝食をたべはじめた.」
tena は接続詞 na「そして,と」の代わりに使われることがある.
ほかの品詞から転用された (kwa) haraka「いそいで」,hivi, vile, hivyo「この(あの,その)ように」なども副詞的につかわれる.
Maliza kazi ya nyumbani kwa haraka.「はやく宿題をしてしまいなさい.」
Njoo haraka haraka! 「はやくはやく,きて!」
Msemaji aliwachekesha wasikilizaji hivi.
「はなし家は、こんなふうに聴衆をわらわせた.」
◇ bado「まだ」は,動詞の否定形を修飾する.完了時制とともにつかわれることがおおい.
Basi imekuja? Haijaja bado.「バスはもうきたかい? まだこないよ.」
Nimepaaza tiara juu sana, sivyo? Bado kidogo.
「わたしは、たこをずいぶんうえへあげただろう? まだ,もうちょっとだね.」
◇ hebu「ちょっと」は,動詞の命令時制(または命令をあらわすほかの時制)を修飾する.相手の注意をうながして「ちょっと〜してくれ」という意味になる.会話体の文でもちいられる.
Hebu ketini kule.「まあちょっとそこへおすわりください.」
Niangalieni hebu nimepata tokeo zuri la mtihani.
「ちょっとこっちみてよ,わたしは試験でいい点とったんだ.」
◇ bure「ただで,むだに」は,動詞や文を修飾する.けい辞のうしろにおかれて形容詞としてもつかわれる.
Garimoshi ilikuwa imeondoka. Nilienda stesheni bure.
「列車はもうでてしまっていた.わたしは、むだにえきまでいってしまった.」
Napata kijitabu hiki? Ndiyo, ni bure.
「このパンフレットもらってもいい? ええ,無料ですよ.」
◇ vizuri「じょうずに」,kidogo「すこし」など,形容詞に第W類接辞 ki,vi がついたかたちはそのまま副詞としてもつかわれる.つぎのようなものがある.
vibaya「へたに,まずく」,kifupi「みじかく」,vigumu「むずかしく」,
kirahisi「やさしく」,kizuri「こぎれいに」
Wanasema Kiswahili vizuri. 「かれらは、じょうずにスワヒリ語をはなします.」
Unajua mchezo wa soka? Kidogo.「あなたはサッカー知ってる? すこしね.」
kidogo kidogo「すこしずつ」のようにかさね形(おなじ語を2回つづける)にすると「だんだんと〜に,〜ずつ」の意味をあらわす.
Kunywa dawa hii kidogo kidogo.「すこしずつ、このくすりをのみなさい.」
◇ pamoja「いっしょに」,mamoja「まとめて,いっしょに」は,数詞の moja「1」に第Z類接辞 pa と第X類複数接辞 ma がついたもので,副詞としてつかわれる.pamoja「いっしょに」はおもに、ひとに対してもちいられ,mamoja「まとめて」は,ものに対してもちいられる.
Sisi sote tulienda pamoja kuona wanyama.
「わたしたちは、みんなでいっしょに動物をみにいった.」
Unaweza kubeba mizigo mamoja?
「あなたは荷物をまとめてかつげるか?」
◇ zaidi「もっと」,mno「あまりにも」は,形容詞やほかの副詞を修飾して,その程度をあらわす.mno は程度がすぎるときにつかわれる.
Tunataka pesa nyingi zaidi.「わたしたちは、もっとたくさんかねがほしい.」
Bwana yake alimpa kazi ngumu mno.
「かれの主人は、あまりにもむずかしいしごとを、かれにあたえた.」
◇ sana「とても」,kabisa「まったく,ぜんぜん」は,動詞や形容詞を修飾して,その程度をあらわす.
Wanangu wanapenda matunda sana.「わたしのこどもたちは、くだものがとてもすきだ.」
Marekani ni nchi kubwa sana.「アメリカは、とてもおおきいくにですよ.」
Mimi sikujui wewe kabisa.「わたしは、あなたなんか、ぜんぜんしらない.」
Picha ile ni nzuri kabisa.「あの絵はほんとうにきれいだね.」
また,これらはほかの副詞を修飾することもできる.
Anaimba wimbo wa taifa vizuri sana.
「かのじょは、とってもじょうずに国歌をうたう.」
Huyu ana pesa nyingi zaidi kabisa miongoni mwa sisi sote.
「わたしたちのなかでは、こいつが一番たくさんかねをもってるな.」
◇ pia 「〜も」,tu「〜だけ」は,どの品詞に対しても,また文全体をも修飾する.
Wao walitoka Zaire. Sisi pia.「かれたちはザイールからきたんだ.わたしたちも.」
Niliandika hivi tu.「わたしは、こう書いただけさ.」

12.8.疑問詞の種類と用法

「なに」「だれ」「どこ」など,わからないものをたずねることばを「疑問詞」と呼ぶ.疑問詞は、その語のはたらきによって,代名詞,形容詞,副詞などに属する.スワヒリ語の疑問詞には、つぎのようなものがある.
(1)疑問代名詞
◇ nani 「だれ」は、ひとに対してのみつかう.
Wale ni nani?「あのひとたち、だれだい?」
Hii ni kofia ya nani? 「これはだれのぼうしですか.」
なまえをたずねるときも nani をつかう.
Jina lako ni nani? 「あなたのなまえは、なん(だれ)ですか.」
◇ nini 「なに」は事物や動物に対してつかわれる.
Ulinunua nini dukani? 「あなたは、みせでなにをかいましたか?」
Wanasoma kitabu cha nini? 「かれらは、なんの本をよんでますか.」
Mnyama yule ni nini?「あの動物はなに?」
特定の動詞のうしろでは,短縮された接辞 -ni となって動詞に接着することがある.
Wanafanyani? 「かれらはなにをしてるんだ?」
しかし,会話体では短縮しないで Wanafanya nini? というのがふつうである.
◇ wapi 「どこ」は場所をたずねる.
Wazazi wako walikwenda wapi? 「あなたの両親はどこへいったの?」
Jengo jipya litajengwa karibu na wapi?
「あたらしいたてものは、どこのちかくにたつのだろう?」
移動をあらわす動詞などのうしろでは,短縮された接辞 -pi となって動詞に接着することがある.
Wamekwendapi?「かれらはどこへいったんだろう?」
しかし,これも会話体では Wamekwenda wapi? というのがふつうになっている.
◇ lini「いつ」は日にちをたずねるときにつかう.時間をたずねるときは lini ではなく saa ngapi「何時」をつかう.
Wataoana lini? 「かれらはいつ結婚するの?」
疑問代名詞が主語になるときは,nani「だれ」は第I類名詞の接辞で,nini「なに」は第V類,wapi「どこ」,lini「いつ」は第Z類の名詞接辞でうける.また,疑問代名詞が文頭にくるのをさけるために,形式的にけい辞の ni 「〜だ」を疑問代名詞のまえにおぎなうことがおおい.または,関係辞をつかって「〜するのはなに(だれ,どこ)」のようないいかたをしてもよい.
Ni nani alikuja jana? 「だれがきのう来たの?」
Ni nani aliyekuja jana? 「きのう来たのはだれ?」
Ni nini itamfurahisha? 「なにがかれをよろこばすかな?」
Ni nini itakayomfurahisha? 「かれをよろこばすのは、なんだろうか?」
Ni wapi kuna watu wengi? 「どこに、ひとがたくさんいるだろう?」
Ni wapi kuliko na watu wengi? 「ひとがたくさんいるのはどこだ?」
Ni lini patawafaa? 「いつが、かれらにとってつごうがよいだろう?」
Ni lini patapowafaa? 「かれらにとってつごうがよいのは、いつだろう?」
(2)疑問副詞
◇ kwa nini, kwani「なんのために,なぜ」は理由をたずねるときにつかう.kwa nini は,第Z類の所有接続詞 kwa「〜で」に疑問詞の nini「なに」がつづいたものだが,これが現在では理由をたずねる疑問副詞のやくめをはたしている. kwani「なぜ」はこの短縮形で,用法はどちらもおなじである.会話体では kwa nini のほうをよくもちいる.kwa nini, kwani は文のはじめにおいてもよい.
Mnafanya kazi sana kwa nini? 「あなたたちは、なんのためにそんなにはたらくのか?」
Kwa nini mvua yanyesha? 「なぜ、あめはふるんですか?」
このこたえの文には,kwa sababu「なぜならば,〜という理由で」,kwa maana「なぜならば,〜という意味で,〜ということで」がつかわれる.
Kwa nini hawajui kusoma na kuandika? 「なぜ、かれらは、よみかきをしらないの?」
Kwa sababu hawakuenda shule. 「なぜって,かれらは学校へいかなかったからだよ.」
◇ mbona「なぜ,どうして」は理由をたずねるときにつかう.mbona はつよく理由をたずねるきもちがこめられ,やや非難めいたいいかたになる.
Mbona hukuja kampuni jana? 「どうしてきのうは会社にこなかったのかね.」
(3)疑問形容詞
◇ gani「どんな」は名詞のうしろにおかれて,そのものの状態や程度をたずねる.
Anapendelea masomo gani darasani? 「教室では、かれはどんな科目がすきですか.」
この疑問詞はさまざまな名詞に対してつけられるので,ほかの疑問詞のかわりをはたす意味になるものもある.
mtu gani「どんなひと,どんな職業のひと」,
kwa njia gani「どんなみちで,どんな経路で、どんな方法で」,
jinsi gani「どんなやりかたで,どうやって」,
hali gani「どんな状態,げんきかどうか」,
mahali gani「どんなところ,どこ」,kwa sababu gani「どんな理由で,どうして」,
kwa maana gani「どういう意味で,どうして」,wakati gani「どんなとき,いつ」
Mtu unayempenda ni mtu gani?「あなたが愛しているひとはどんなひと?」
Babako ni hali gani?「あなたのおとうさんは、げんきですか?」
Wakati gani watarudi hapa tena?
「いつかれらは、またここにもどってくるでしょうか?」
gani は数量や種類,程度をたずねるときに,つぎのような語とともにもちいられる.
kiasi gani「どのくらい(量)」,aina gani「どんな種類」,bei gani「いくら」
Unataka mchele kiasi gani? Nataka kilo moja.
「コメはどのくらいいります? 1キロほしいな.」
Ziwani hii mna samaki wa aina gani?「このみずうみには、どんなさかながいるの?」
namna gani「どういうこと」は,つよいちょうしで抗議したりするときにつかう.
Ulinitupia vitu namna gani? 「わたしにものをなげつけるとは、どういうことだ.」
◇ -ngapi「いくつ」は具体的な数をたずねるときにつかう.原則として数えられるものに対して使われるので,各名詞類に応じて複数接辞を接着させる.接辞のつけ方は形容詞の場合と同じである.
第I類 wangapi「何人」, 第U類 mingapi「何本,いくつ」
第V類 ngapi「いくつ」, 第W類 vingapi「いくつ」
第X類 mangapi「いくつ」, 第Y類では,第V類または第X類の複数に一致する
第Z類 pangapi, kungapi, mungapi「いくつの場所」
Unaona watu wangapi?「人が何人見えますか?」
Pana kalamu ngapi? 「えんぴつが何本ありますか?」
Sasa saa ngapi?「いま何時?」
Itachukua pesa ngapi?「それはいくらかかる?」
◇ -pi 「どの」を意味し,名詞類に応じて接辞を接着させる.接辞のつけ方は単音節の形容詞の場合と同じである.
第I類 (単数)mtu yupi「どの人」,(複数)watu wapi「どの人々」
第U類 (単数)mti upi「どの木」,(複数)mitu ipi「どの木々」
第V類 (単数)nchi ipi「どの国」,(複数)nchi zipi「どの国々」
第W類 (単数)kitu kipi「どのもの(単数)」,(複数)vitu vipi「どのもの(複数)」
第X類 (単数)jiwe lipi「どの石(単数)」,(複数)mawe yapi「どの石(複数)」
第Y類 (単数)ufunguo upi「どの鍵(単数)」
第Z類 mahali papi, mahali kupi, mahali mpi「どの場所」
Kitabu kipi ni chako? 「どの本があなたのですか?」
Alikwenda upande upi? 「彼はどっち(どの方向)へ行きました?」
(4)疑問接辞
◇ -je は「どう,どんな」などを意味し,動詞のうしろに接着する.この疑問詞は,他のあらゆる疑問詞のかわりに使われるほど,広い意味をもつ.
Inaitwaje? 「それはどう呼ばれるの?(名前はなに?)」
Unafanyaje? 「あなたは何をしているのか?」
Alikwendaje? 「かれはどうやって行ったの?(文脈によっては)どこへ行ったの?」

12.9.動詞から派生した名詞

名詞の中には,動詞の形を起源としてつくられたものが数多くある.古い時代には,ある規則にしたがって動詞語幹の語尾を変化させ,名詞接辞を接着させると,意味をそのまま名詞化したものがさかんにつくられたらしい.しかし現在のスワヒリ語ではそのような機能はほとんど失われている.ただ,現在残っている形から類推して,あたらしく動詞起源の名詞形がつくられることはよくある.
また,アラブ語系の外来語では,もとの言語の文法にのっとった名詞のつくり方をそのままのこしている.このような語では,動詞語幹の中の母音を変化させることによって,動詞と名詞を区別していることが多い.
このようにしてつくられた名詞は第T類から第Y類までの各類におよんでいる.次にそのうちのいくつかを例としてしめす.所属する名詞類がわかりにくいものは( )の中にその類をローマ数字でしめす.
kulinda「守る,防衛する」,mlinzi/walinzi「守衛」,ulinzi「防衛」
kulima「農耕する」,mkulima/wakulima「農民」,kilimo(W単)「農業」,
ukulima「農業」
kupika「料理する」,mpishi/wapishi「料理人」,upishi「料理」
kuchanganya「混ぜる,混合する」,mchanganyiko/michanganyiko「混ざったもの,混合」
kuona「見る」,maoni(X複)「見方,考え方,意見」
kuota「夢みる」,ndoto(V)「夢」
kuoa「結婚する」,ndoa(V)「結婚」
kusoma「読む」,msomaji/wasomaji「読む人,アナウンサー」,
somo/masomo「読むこと,勉強,教科」
kusaidia「助ける,手つだう」,msaidizi/wasaidizi「たすける人,援護者」,
msaada/misaada「援助,福祉」
kuandika「書く」,mwandikaji/waandikaji「書く人,作家」,
maandiko(X複)「書くこと,書道」
kuendelea「すすむ,発展する」,endeleo/maendeleo「発展」
kuomba「たのむ,ねがう」,ombi/maombi「たのみ,(神への)願いごと」
kusafiri「旅行する,移動する」,safari/safari「旅行,移動」,
msafiri/wasafiri「旅行者」,msafara/misafara「集団移動,渡り(鳥)」
kuhesabu「計算する」,hesabu/hesabu「計算,数学」
kusalimu「あいさつする」,salamu(V)「あいさつ」